インディでいこう!(勝間和代)の感想レビュー
この本が出た当時はまだ勝間さんはブームの前で、カツマーなんで言葉も全然なかったと思います。
この本自体も、勝間和代名義では出てませんし。

個人的には勝間和代さんあんまり好きじゃないんですよね。
勝間和代さんというより、カツマーがきつい、が正しいですけど。
意識高い系()の走りですよね、やつらは。
勝間さんも自意識過剰というか、
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この本を出した時には当時ドン引きしたのを覚えています。
うまくメディアに担ぎ上げられた人の末路やな~って感じがプンプンしてて、
とにかく彼女にはいいイメージがなかったんです。
そんなことはさておき、この本の主旨というのは、ある条件を備えた人を「インディ」定義し、それを目指そうと言う話です。
インディってなにかというと、
・年収600万以上をかせげる
・自慢できる夫か恋人がいる
・年をとるほどいい女になっていく
です。
実は本では、この次の行に
「インディな女は他人の評価に気持ちが左右されません」
と書いてあるのですか、
「自慢できるとかいい女とか、おもいっきり他人の評価じゃないかよwwww」
と速攻突っ込みました。
話を読む限りでは、ようは自分の中でいい女とか、自分の中で自慢できるとかみたいな話みたいです。
いやーでも自己肯定って他人からの賛同込の話だからなんか矛盾してるっぽいけどなー。
で、なんでそのインディ三条件が大事かかいつまむと
・年収600万以上をかせげる
→離婚したいと思っても、都市部で働きながらシングルマザーできるから
○○のプロとして誇れる金額であることが大事だから
旦那に趣味の仕事と言われないような仕事である必要があるから
二つ目と三つ目は意味が良くわかりませんね。
そんなに賞賛されないと生きてけないんでしょうか。
好きならなんでもいいと思うけど。
・自慢できる夫か恋人がいる
→いい男といると、身なりもきちんとし精神も安定する。
600万稼ぐ仕事だと、いい男といるかいないかで「ああはなりたくない」「あの人バリバリ輝いてる」のどちらになるかがはっきりする
ちなみに自分が600万稼いでる場合釣り合いが取れるのは年収1000万クラスの男性になるらしい。
(600万以上の女性は上意約10%で男性の上位10%は1000万クラスなため)
だからそれくらいの男性を!とのことでした。
またそうでないと、旦那に嫉妬されて自由に生きられない、卑屈になられる、自分と嫁の格差が開くことの恐怖に目がいってしまい嫁の頑張りを応援できない、たかられる等あい、そもそも精神衛生上健全なパートナーシップを作りにくいので、年収も大事だよって書いてありました。
これは全面的にごもっともですね。
まどかの鹿目家みたいに旦那と嫁が逆なら逆なりにそういう方向性で両者が割切れ、お互いハッピーならそれでいいんですが、
・ママが倒れた時に一家離散しかねない(これはパパ倒れてもそうだけど)
・女性のが男性より体力的に無理が効きにくく、そもそも不安定
・出産、育休が家計に与えるインパクトが凄まじいため、生む時期はシビアになる
など、色々リスクもあると思います。
なら鹿目家を目指すよりかは1000万クラスをさがしたほうが長い目で見た時に難易度低いかもしれません。
1000万クラスの方って数%しかいないから絶望的っていいますが、最近思うのは、
100個のくじの中から1個のあたりを引くのはすごい難しいですが、100個のくじの中に70個のあたりがある中でくじを引くのは簡単ということですね。
つまり行くところに行けば結構いるというのが私観です。
そして、その「行くところ」にどうやっていくかというと、「自分もそれに準ずるレベルになる」という至極まっとうな話な気がしています。
つまり一つ目の条件ということでしょうか。
そして三つ目。
・年をとるほどいい女になっていく
→女の価値である若さ、美しさは年々価値のなくなる償却資産なので、精神的肉体的に充実したニコニコはつらつとしたいい女になりましょうと言う意味
そして、これを叶えるためには、「精神的に独立(independent)」してる必要がある、という理屈のよう。
たとえば専業主婦で旦那の稼ぎが悪くなったとしたらすごい悩みの種ですが、自分も稼いでたらそんなに精神インパクトはないですよね。
離婚したくても自分が働く力がないから旦那の横暴に耐える(これホント良く聞くけど)みたいな精神衛生上よくないことも、自分が働いてたら、なんてことはないと思います。
逆に、横暴なことしても逃げられな言ってわかってるから横暴がエスカレートするんじゃないかと思いますけど。
さすが天下のマッキンゼー出身だけあって、本自体の構成が、
・主張、言いたいこと要点
・なぜなのか?という説明をデータをまじえながら解説
・最終的にまとめるとこう!
という企画書的な流れなのが笑えますが、ほんと読みやすいです。
ただ、気になるのは、経済的精神的に男性に依存し、男性の興味関心を常にそらさないために見た目維持重視の生活をし、自分で稼ぐことに興味のない女性を「ウェンディ」と定義し、
否定する気はないといいつつも、敵対心ムキだしなところでしょうか。
同性へのこういう攻撃は大体あこがれへの裏返しですから、ほんとは勝間さんもそう生きたかったのかもしれません。
ちなみに私は序盤読んで
「といっても勝間さん、あなたそんなインディで輝く女性を目指そうとか
説いてても2回も離婚してるし、最近はジェームスブラウンにそっくりと2chで煽られてたじゃないのm9(^Д^)9mプギャー」
と思いました。
しかしおいおい読んでいくと、彼女の中では離婚とかジェームスブラウンとか大した問題じゃないみたいなんですよね。 30半ばになっても
「転職と同じでしっぱいはつきもの、一発勝負って思うこと自体が難しい、失敗から学んでいけば(・∀・)オッケー!」
と言えるのは色々凄いです。
それでまかり通るのは20代まででは…。
子供達が心配です。
本題に戻りますが。
じつはわたしはこれだけケチつけてますが、このインディって言う定義を数年前見たとき、目標の指標としてなかなか面白いなと思い、なんだかんだインディを目指しています。
で、最近ふと、「そういえばあの本があっから明確にキャリアを意識したなー。でも話の中身はしっかり知らないんだよなぁ」と思い出し、読んでみたという話です。
いま、会社見渡すとインディな人もけっこういて、この本結構正しいこと言ってるのかなと思います。
でも現実問題としてのインディの限界というのも見えてくるですね。
それは家事育児仕事を全部やるのはすごいムズカシイってことです。
この辺は本でも打開策も書かれていますが、
あくまで本がインディになることに焦点が当てられてるので、インディ後の問題は触り程度です。
もし自分がインディになりたい、インディになってみたけど未来が見えないと思い悩んでたら、ヒントになるかもしれないです。
ところどころ変だけど、いいと思いますよ。
逆に自分がインディをめざしてないなら、ほんと読んでも時間の無駄なのでやめた方がいいです。
ただ、この本読んでて思うのは、
「勝間さんはもともと恵まれてる」
というところだと思います。
ヒントにはなるけど、このとおりやっても庶民は無理じゃないの?と思います。
最近すごい思うんだけど、勝間さんみたいな、マッキンゼー出身の女性起業家で子供も育ててバリバリやってます!
ってひと、話題の人でよく見るけどさ、
経歴見るとみんな高校からエリートなんですよ。
つまり立派な職業の父を持ち、裕福な家庭で十分な教育を受けてエリートになるべく育てられた人達なんです。
そして彼彼女たちって
「私は庶民でこんなに大変だったけどこんなに頑張って今輝いてます!」
っていうんです。
いやいや、そうでもないよっていう。
大学で初めて私立じゃない学校行く人は庶民じゃないよっていう。笑
初めてカレー作るとき、材料にカレールーが用意されてるのとされてないのって、
カレーの味に大きく差が出るじゃないですか。
庶民はカレールーなんかないからね。無数のスパイスが並んでるだけですから。
もう全然難易度が違うんですよ。
そこを
「カレー作ったことないけど、わたし頑張ってカレー作りました!みんなにもカレーの作り方披露します!」
って言われてもって話なんです。
逆に叩き上げの人は、スパイスからカレーを作ることの難しさと苦しさを知ってるから、そういう本書かないんですよね。
オススメできないもん。
自分がたまたま好きだったからカレーができただけだしさ。
生まれは選べないですし、彼彼女たちも小さい頃から努力をしたわけですから、悪いとかは思いません。
ただ庶民とのその差は念頭に置くべきだと思いますね。
だからこそ、世の中のサクセス本はどこかふわふわしてるし、
勝間さんの本の評価はまっぷたつに割れてるし、
勝間さんに憧れたカツマーたちが、その後勝間さん的人生を歩めたかっていったらそうでないのですから。
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勝間さんの本探してたら、
こんなんみつけた。
本人も踊らされてたことようやく気づいて書いた本ってことでしょ。
絶対面白いだろこれー。
あれやこれやのはてに何を思ったのか気になる。
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