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honjitu no hirose

広瀬ヒロ

虚空に向かい思考を吐露して17年。 伴侶は孤独、幼なじみは希死念慮、命を支える偉大な信仰、降谷零。 自己葛藤から抜け出せない永遠のモラトリアム中年。引き続き、七転八倒をお楽しみください。

広瀬、家を買う。~マンション購入バイブル~

3年前にマンションを買ったのですが、この記事は、2018年4月(入居数ヶ月)の時に、当時のことを忘れないように書いた備忘録です。
公開しないまま忘れてたのですが、偶然見つけたので公開します。
家買う予定ある人の参考になれば。

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引越し先を探している中で、気づいたらマンションを買っていた。

全く買う気もやる気もなかったが、何回シミュレートしてもライフスタイルや資産計画上買ったほうが、メリットが大きく、まあ…じゃあしゃあないから買うか~と言った感じだった。
もっとわくわくするものだと思うが、淡々と事務手続きをすすめ、淡々と入居した。
もっとキラキラしてると思ってた。

ちなみに、子供のいない夫婦や独身が家を買う理由は
「賃貸の家賃が高く、ローン返済の方が安いから」
「既に住み慣れた街で売り物件が出たから」
がアンケートではトップらしい。
私もまさにこれだった。

私が家を買った理由は、
「近所で引越し先を探している時、4ヵ月探しても条件に合う物件が出なくて、たまたまその条件に合うのが売り物件だった」
という。それだけの理由。
しかも、合う物件がいくつかあり…というわけではなく、それしか合致しなかったので、ほかのマンションを一切見てない。

この2017年の超絶不動産バブルしてる時にわざわざ契約するなんて頭狂ってるとしか思えないのだが、高い安い以前に、住める物件がそこしかないのでしょうがない。
そんな理由だった。


そして。

そんな、消極的に始まったマンション購入だが、初めて家を買ってなかなか面白い体験だったので、また是非にでも機会があれば家を買いたいと思っている。

なので、今回の良かったことや次回以降気をつけたいことなどを、備忘録としてここに書き記す。

私自身周りに買った人がいなくて聞けなかったし、建築、法律、財務、対人交渉、事務整理、と、購入に至る中で相当把握することや決めることが多いうえ、ネットで調べても肝心なことが書いてなかったり、調べるのが大変だったりと、難しいなと思ったので、みなさんの今後の参考になれば幸いです。


進める上でのポイント編。

◆頭金の有無。

3500万の物件を頭金無し、金利0.55%前後、35年ローンで購入したとします。
この場合、月1.5万ほどの利息がつくはず。

元金7万+利息1.5万で月8.5万が月々の返済額となります。
マンションの場合はさらに管理費と修繕積立金が上乗せされます。

もし頭金100万を用意できたとすると、同じ条件でも、月の返済が約2500円減ります。
頭金が400万円あった場合、元金6万+利息1.4万で月7.4万が月々の返済額となります。
※上記は概算なので諸条件によって違うと思います。
※マンション購入には、物件費用以外に諸費用(50-100万円)がかかるため、頭金の全てを、購入費に当てられる訳ではない。

言いたいことは、頭金をどれだけ用意できるかは、月々の家賃(返済額)、ライフスタイルに直結するということ。
デベロッパーも頭金のこと、すごい聞いてきます。笑


◆いい部屋は、広告出る頃には決まってる。

2017年正月明け、私がマンションの説明会にいったとき、マンションの募集サイトでは
・立地
・1部屋の大体の広さ(間取図は一切ない)
・何階だてか
以外ほぼ何も開示されてなかった。
つまり、どんなマンションかほとんどわからない状態で、説明会が開かれてた。
説明会に行ったら、
・大体の価格
・間取りのラインナップ(モデルの間取りであり全室分はない)
・抽選までの流れ
を教えてくれた。
その場では「前向きに検討するが、情報が出揃ってないので、まだ買うとは言えない」と返事をしたが、そこから、全室分の図面や、価格の情報開示があり、春になる頃には抽選に申し込み、購入する部屋が決定した。

マンションの広告が街で出るようになったのは、抽選が終わりしばらくした初夏の頃だった。
おそらくマンションの広告は「売り始めました」ではなく「あまりをものを広告費かけて売りさばく」ものなのだろう。
つまり、値段が公示されて広告を見て行ったのでは遅い。
いい部屋をとるためには、情報が出ないうちにかぎつけるのが大事。

ちなみに、抽選は第1希望1室のみを記入。
希望した部屋は、同じ間取りの中での最上階かつ方角のいい物件だったため、抽選になるだろうと言われていたが、結果、無抽選での確定だった。
これはマンションデベロッパー側が無抽選になるよう調整したものと思われる。
私が優先された理由は、申し込み時期が早かったこと、デベロッパー側が設定したマンションコンセプトの入居者像ドストライクだったこと、ローンに通る確率が高かったこと、の三点と思われる。
デベロッパーは「ローンを払えるちゃんとした客」を見極めて、誰にどの部屋を売るか決めるのが、腕の見せどころのようで、顧客としては、早く説明会に行って、行儀よく紳士的な態度で買う姿勢見せることが抽選を有利に運ぶコツと感じた。



◆モデルルームトラップ

新築のマンション購入の場合、
「見たこともない数千万のものを買う」
というクレイジーショッピングをするはめになる。
そのためモデルルームで判断を迫られるのだが、モデルルームと実際の物件は全く違うのでがっかりしないようモデルルームで浮かれてはいけない。
注意するポイントは
・モデルルームは、実物件より天井の高さが高い
・配管のダクトなどの天井下がりがない
・照明がかなり明るい
・エアコンのダクトのあるなし
のが現実と違う。
特に天井下がりと天井高は現物とモデルルームの印象の違いの大きなウェイトを占めるので注意したい。
この辺りは詳細図面を取り寄せて、モデルルームで現実との差をしっかりチェックしよう。
逆にモデルルームと実際で差がないのは、
・水周りやキッチン
・ドアやサッシなどの建具
・壁紙
など。
参考に見ておこう。

◆図面、建築条件をよく見る

モデルルームトラップにひっかからないためには、現実と違う点を建築図面で確認する必要がある。
図面読めなければ解説を求めよう。
確認点は以下。
・壁厚 18mm以上
・壁の中の構造(コンクリ壁 空洞 コンクリ壁)とかだと隣の音が響くよ
・上下水道パイプ(PS) が寝室に接してないか
・断熱材の厚さ(特に角部屋)
・エレベーターと部屋が近くないか 近い場合防音してあるか
・非常階段と部屋が近くないか 近い場合防音してあるか
・給湯器のダクトは部屋のどこを通るか、何cm天井から下がるか(マンションで天井の角がだんだんに下がってるあれ。部屋が狭いとダクトの天井下がりで部屋がめっちゃ狭く感じるよ)
・天井の高さを見よう
・自室の寝室は、隣室の何の部屋に面してるか(お風呂とかだと音がする)
・サッシは何等級か(基本T-2以上)
・半地下物件か(半地下で天井低めだと4階の建物でも3階くらいの位置になる。眺望に影響。)
・販売会社は潰れなさそうか(wikiで評判を見よう)
・施工会社は実績に悪いものがないか、どういった物件が得意か(wikiで評判を見よう)
・管理会社は評判悪くないか(ネットで調べよう)

私は、騒音ダメおばさんなので音周りのチェックが多いけど…
築10年以内の普通のマンションなら上記はクリアしてるはず


◆現地を確認する

・住民の様子をみよう。(いいのはごみすて場の様子)
・夜間に現地に行こう。(治安や閑静さ)
・部屋から道路までの距離図ろう(googleマップで)
・2車線以上の道路に窓が面してる場合、100m離れてても部屋で音がする場合あり。よく検討しよう。
・警察署、消防署が300m以内にないか確認しよう。(出動回数分、爆音が鳴り響きます。うちは1kmほどのため、気づかず入居しましたが、近くの幹線道路を通るので、そこそこ聞こえます。近い人は大変だろうと思います。)
・周辺に築年が経っている建物がないか確認しよう。(数年後建て替えがあった場合、日当たりに影響。資産価値も下がるし超重要です。)
・土地種別を確認しよう。(上記に関連して。第一種低層住居専用地域以外は、6階建て位のマンションを建てられるため、周りの土地で立て直しがあっても、大丈夫な物件か確認しましょう。)
・意外と、住宅地のど真ん中に、個人の工場?のような施設があることは少なくありません。こういう所は19時頃までチェーンソーや金属切断の音を防音無し出すので注意。
・災害ハザードマップを確認しよう。割安の物件=浸水や液状化リスクの高い、地元の人は避ける土地、というのは不動産あるある。
・通勤に耐えられるか予行演習しよう。

ちなみに私の部屋は交通量のある二車線道路が80m先にあって、すげー音が響くから、車道と部屋の間は必ず何らかの建物がないと無理だなと思いましたね。それか田舎に住むか。
(幹線道路沿いに住んでる人ホントすごいと思うよ!)

※追記。この騒音ですが、マンションと道路の間にある敷地の木造2階建て住宅が、その後、RC造3階建ての建物になったとたん、騒音ががくんと減りました。
周辺物件と騒音って結構関係ありますね…


◆環境か、利便性か
都心の場合、土地の建築規制がめちゃくちゃに厳しい。
そのため、閑静な住宅街は低層マンションしか建てられない。
価格も高くなりがち。

かたや幹線道路沿いや繁華街は建築規制がゆるいし土地も大きく確保できるので、普通のマンションがたてやすいが、うるさい。
静かでマンションが建てられるところもあるが、大体駅から10分以上かかるため資産価値が落ちる。

ここをうまくすり抜ける物件が出たとしたら、相当ラッキーだからすぐ買おう。
でもなかなかでないから、金がかかる、駅から遠い、うるさい、どれを許すか予め決めておかないと、あとからガッカリする。


◆平米単価
私は最近まで知らなかったが、特定地域で、買いたい物件が割安なのか割高なのか調べるには物件の平米単価を参考にするらしい。
今は都心だと400万円/平米が標準。


◆資産価値を考えよう
マンションの場合、周辺の築20年のマンションがいくらで売られてるか調べよう。
ちなみに文京区港区みたいなところは「名前代で2000万」と言われています。
これは、郊外で同じマンション買ったら2000万だけど、ブランド区だと4000万という意味。
そういった名前代のある物件は、築25年でも新築4000万の相当の物件が2500~3000万あたりで売りに出るのであながち外れてない。
要らなくなった時、売るに売れない、とならないように念のため調査。
ちなみに資産価値が最も高いのは「人気のエリアで駅近」だそうな。
あと単身世帯が急増してるから1LDK~2LDKくらいの方が今後は運用しやすいのではと思います。



◆ローン返済のシミュレーション

ローン返済シミュレーションはこれがホントに優秀で、借入の話になってから何回も使ったのでオススメ。
このツールほどわかりやすく細かく条件設定できるローンツールないです。

※追記
このツールのエクセルを改修して、毎月の繰り上げ返済の額から、返済完了時を予測する管理簿を付けてるんですが、本当に役にたってます。
とにもかくにも、このツールが便利すぎる。


◆ローンをどこで借りるか

これは買う時になって公正な情報がなくだいぶ困った点でした。

まず基本として、
「3500~4000万円を頭金なしで35年ローンで購入した場合金利が0.1%上がる事に返済がざっくり60万円上がる」
というのを覚えておくといいです。

その上で
・メガバンクで借りるか(金利高いが安定してる)
・ネットバンクで借りるか(金利安いが不安定)
を決めます。

メガバンク間、ネットバンク間では、各行ほぼ金利は一律横並びのため、決め手になるのは
・住宅ローンを組むとその銀行のATM手数料無料になるなどの付加サービス
・団信(死んだ時にマンションのローン残債がチャラになる保険契約。購入時必ず加入させられる。)の特約でメリットの大きいものを選ぶ
・繰り上げ返済の手数料が無料で、ネットからいつでも好きにできるかどうか(結構大事です)
の3点が参考になると思います。

特に団信特約は契約時でないと付けられないので、各行の違いをよく読んだ方がいいです。
私は、ネットバンクが少し不安だったのでメガバンクだけに候補を絞り、その中で「病気や入院の際に、その期間分のマンションローンを肩代わりしてくれる特約が無料で付けられる」というポイントで、りそなにしました。

ちなみに、購入時、不動産デベロッパーがローン審査の窓口や事務処理をしてくれると思いますが、黙ってると「マンションデベロッパーと提携した都合のいい銀行=顧客メリットそんなにない」に決められますので、注意しましょう。
私の場合は、流れ作業でU銀行で決められそうになり、慌てて担当を止めて、こちらから指定した3行にもローン審査を出すよう依頼した結果、金利がU銀行よりもガクッと下がり、上記に書いた特約も着いてセーフ!という顛末でした。

ちなみに、銀行の住宅ローンには審査がありますが、審査に通るか、金利がどうなるかは、勤め先の資本力と勤続年数が全てです。

◆40平方メートル以上を買え ※2021年追記

私は住宅ローン控除制度改正前に家を買ったので関係ないですが、今年から40平方メートル以上の物件でも、住宅ローン控除が使えるようになりました。
これ、単身では絶対手が届かないと思われた、夢の住宅ローン控除が、シングルでもあやかれるという夢の様な出来事なんですよね。
羨ましすぎる。
ちなみに、住宅ローン控除を使うと、年間の所得税などの税金が、10年間の総額で最大400万円まで減額されます。

これは中古物件でも適用されるので、今後家を買って売る時にも、「30-39平方メートル」の物件は人気が無くなると思われます。
買うなら40平平方メートルです。
(ただ、今、不動産価格爆上がりしすぎて単身で40平方メートル買えるリッチな人少ない気がしますけど…)

ちなみに50平方メートル以上の物件だと、それに上乗せして固定資産税の減免制度も利用できます。
これは5~7年ほど固定資産税が半額になる制度。
固定資産税は、都心だと単身物件でも8~10万円ほどかかりますので、これも大きいです。



◆住んでみてのメリット
ここからは、住んでみての感想を適当に。

私は気に入らないとすぐ越すタチなので2年に1回は敷礼、仲介手数料、さらに、引越しの諸費用や労力を払ってました。
購入によって、固定資産税の負担も増え、トータルで見た時には、購入の方が若干お得、くらいですが、とにかく引越しから解放されたのが嬉しいです。

賃貸と同じくらいの支出で、賃貸よりかはるかに設備が充実、グレードのいい物件に住めてハッピーです。生活満足度140%アップ。

家賃を自分で調整できるのがめっちゃいいです。
繰り上げ返済をこまめにして、既に、入居4年で、家賃が2万円ほど下がってます。
40代には家賃7万くらいがいいな~と言った計画が立てられるのも良いです。
世の中ではローン地獄などと言われますが、私はローン返済のやりくりが性に合ってるようでした。

特に、自分は金融投資に興味が無い(マイナスになるのが嫌)ため、貯金をだぶつかせている割に、お金に余裕ができるとどうでもいいことに使ってしまう人間でしたが、不動産購入したことで、お金の使い方にメリハリが付いて良かったなと思ってます。

家を改造できるのがいいです。
フローリングのガラスコーティングを入居時にしましたが、入居以来ワックス掛け不要、柔らかい布で拭くだけで過ごしてます。最高。

高い家具を買える。
引っ越したあと困るかも…という心配がないので、気に入った家具を買えます。

不動産価値のある物件であれば、転居する場合も不動産収益になる。売れば老人ホームの頭金になる。
※追記。今住んで4年ですが、マンションの別の部屋の売り価格を見る限り購入価格+400万円となっています。周囲の部屋がばんばん売りに出されています。笑



◆住んでみてのデメリット
引き続き、住んでみての感想を適当に。

ローンの奴隷になる。心理面経済面で嫌な人は無理かも…

頭金が必要。最低でも500万円。
あると良いのは900~1000万円くらいかなぁと思う。

購入時、とにかく判断を迫られることが多い。
仕事しながらそれを捌いていくエネルギーと、あとから、あー!ってならない判断力や対応力が必要。

転職すると、勤務地から家が遠くても引っ越せない。
これは本当に注意ですね。
私は転職もうしないだろうという算段があったので買えました。




こうして振り返って思うのは、財テクしたい人、家オタ以外は家を買うのはやめた方がいいですね。

どこからが家オタかといえば、海外旅行に行って帰ってきた時に「家マジで最高!!!!家で遊んでも良かったな!!」と思うのは家オタだとおもう。
私はハワイに20万近く払って行って、帰ってきて最初に思ったことのがこれだったので。

家 is so happy……



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