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honjitu no hirose

広瀬ヒロ

虚空に向かい思考を吐露して17年。 伴侶は孤独、幼なじみは希死念慮、命を支える偉大な信仰、降谷零。 自己葛藤から抜け出せない永遠のモラトリアム中年。引き続き、七転八倒をお楽しみください。

青年よ、ありがとう。


何を隠そう私は後数年でアラフォーになる。
この前アラサーとかないと思っていたのに、一瞬でアラフォーである。

あまりの時の流れの速さに頭が追いつけず、「不老の薬 ある ない」などググッたりしたりもしているくらいには、この速さについていけてない。
(若さとか美貌とかはどうでもいいが、死ぬまでとんこつラーメン深夜に食べたりオールして遊んだりして暮らたいというしょうもない理由である)


そんなアラフォー予備軍。
この間めちゃくちゃにありがたいことがあった。

なんと若者に声をかけられ会話したのだ。
しかも比較的まともそうな青年で、気持ち悪くない。
その上若い。
どれくらい若いかというと、初めてやったポケモンで、選んだポケモンが
ヒトカゲフシギダネゼニガメでない可能性が高いくらい若い。

奇跡か。

こんなことがあるのだろうか。


そもそも、他人と会話するということが驚きでもあった。

というのも、日々絶対に他人から声をかけられないよう細心の注意を払って生きてるためだ。

とにもかくにも知り合う人にサイコパスが多すぎるため、ここ数年は信用出来る人以外は絶対話さないと決めていて、最近はよしんば話しかけられても大体耳が聞こえない人の振りをしている。

世の中そんなにサイコパスばかりでもないし、そんな極端なことしなくてもと思うだろうが、暁美ほむらさんを思い出してほしい。
最初のうちは鹿目まどかさんが魔法少女になっても救われる道を探していたが、結局それは無理なのだと絶望して、鹿目まどかさんに接触するきゅうべぇコロスマンになった経緯は有名だ。
そういう「やばいことを避けようとして本人が周りからやばいこと以上にやばい人扱いされてしまう」ことは世の中にたくさんある。


そんな人間とどうやって会話が成立したのかと言うと、まったく私に気づかれずに突然20cmほどの距離に現れ、そこから声をかけてきたのだ。
人の多い店にいたが、いかんせん出現位置が近い。


私は思った。
「ひぇ。鯰尾藤四郎さんかよ。」

※鯰尾藤四郎さんは刀剣乱舞というゲームに出てくる相手に気付かれずに自分に有利な陣形(ポジション)を取れる隠蔽という能力が最も高いキャラクター。


女性なら分かると思うが、普通誰であろうと20cmほどの距離に他人が現れたら、脊髄反射で逃げると思う。
イケメン無罪というが、そんなことはない。
いくらロイ・マスタング大佐といえど20㎝ほどの距離に現れて突然話だしたら、それこそ痙攣しながら吐く。
イケメン119番まったなし。

しかしその青年、驚くことにそのまま「一緒に来た友達かなんかと間違ってるんじゃないのか?」と思うほどナチュラルに話してきて、こっちも釣られて普通に話してしまった。
他人と口をきいたのが数年ぶりだったため、第一声むせた。

しかしすごい能力である。
こういう技ができるということは、相当自分に自信があるのだろう。
もし自分が男だったら、来来来世くらいになってもできる気がしない。
このテクニック本にでもしてくれんかなぁと思いつつ、私はそっとポケットに手を当てた。
財布がある。金も抜かれてない。
逆に驚く。


その後、なんやかんやあり解散したあとも、財布はあった。
逆にない方が自然な気もするが、あった。



帰りながら思ったのだが、歳をとると、今まで知らないいろんな感情を感じるようになる。

例えばパパ活やホスト狂い。
あれはおっさんおばはんが経済力にものを言わせて若い子をってるように見えるが、もしかしたら女の子やホストがお金をいらないと言っても渡すのではなかろうか。

というのも、
「金を渡してようやくヒエラルキーの差を乗り越えて話せる=同じ身分ではない」
ということを、何よりおっさんおばはん自身が1番わかってるのではなかろうか、と思ったのだ。

この一件では、私はおばはん側なのだが、そういう自覚があるからこそ、
私は財布の心配ばかりしていたわけである。
私は若い男性に全く興味が無いが、それでも思っていた。
ヒエラルキー上位のものが下位の者に声をかけるなど、絶対に真意は別のところにあるはずだ、と。


愛を信じられないから、愛なんてそもそもないと思うから、ホストやパパ活みたいな愛がない人が集まる世界に引き寄せられてしまう。

そしてこの時おっさんおばはんが、自分の信じてない愛のある世界を見せられたらどう思うだろう。
逆に嘘くさくて信じられず逃げるのではなかろうか。

人は、自分の信じた世界にしか生きられないのかもしれない。
なんだか切ない話である。



さて。
なんでわざわざこの話をかいたかといえば。
それは嬉しかったからだ。

しかし、なんでそんな夢を与える魔法の国の着ぐるみみたいな人がいたのか。






相手が相当泥酔していた。
あとすごい暗かった。



これしかない。
真実はいつもひとつ。
真実は常に残酷です。


彼は酒に酔って、ポケモンではいあいぎり目当てに必ずヒトカゲを選ぶような、相当世代の離れた人間をナンパしてしまった。

しかしそんな残酷な恥のおかげで、おばさんには夢が与えられた。

まさに幸福量保存の法則。

ありがとう。
ありがとう、青年よ!









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