推し is my life.
みんな、聞いてくれ。
今日は大事な話がある。
父さんな、
父さん実は…生まれて初めて…
ご用意されたんだ。
これが。

父さんな、これまでの人生で「ご用意」されたことないんだ。
そもそもナマモノ文化に落ちたことないって言うのもあるけどな。
普通の懸賞とかも、当たったことないんだ。
ほんとに、ほんとにはじめてのご用意。
それがこれなんだ。
当落のメールに気づいた時、仕事してたんだけどな、
当選の文字を見て、嬉しさで震えが止まらなくて、
トイレに急いで駆け込んで、ガッツポーズとってしまった。
席に戻ってきて、もう一度、
当選のメール見て、嘘じゃないんだって。
そのとき思ったんだ。
絶対になんとしても生きる
推しのために、なんとしても生きる。
10月まで、健康に気をつける。
仕事で何かあると楽しめないから仕事もちゃんとやる。
そう、すごく強く思ったんだ。
絶対に生きるぞと。
そんなこと、生まれてこのかた、そんなこと思ったこと無かった。
帰りに、あまりに嬉しくて、お祝いにケーキ買ったんだ。
当選のメールだけで、一日がこんなにも嬉しくて、幸せで終われるなんて。
なんてすごいんだ。
推しは、人生という名のほの暗い部屋をてらす灯りだ。
人は、ほの暗い部屋でも生きていける。
でも、部屋に灯りがついて始めて、部屋に色々な食器や家具や便利な道具があったことを知ることもあるのだ。
人は、あかりのある暮らしを知ったら、そうでない世界には戻れない。
どうやってあの暗い部屋で暮らしていたのだろう?とすら思う。
そうでない世界を見せてくれるもの、
それこそが推しなのだ。
推し is my life.
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