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honjitu no hirose

広瀬ヒロ

虚空に向かい思考を吐露して17年。 伴侶は孤独、幼なじみは希死念慮、命を支える偉大な信仰、降谷零。 自己葛藤から抜け出せない永遠のモラトリアム中年。引き続き、七転八倒をお楽しみください。
#コメントありがとうございます。ありがたく拝見しています!

狂った蟻塚。


私の会社は狂っている。
もちろん、みなさんの会社も狂っている。

そもそも、会社は、金目的で集まった人間が、金のためにやりたくもないことをやって、胴元に集まった金の分け前をもらおうという集まりなのだ。
正気の人間がいるわけが無い。


社内である事業を行っているのだが、その中のひとつの施策について、やるかやらないか、社内で意見が割れている。

意見が割れる理由は
・難易度を理解出来ているか
・本人の仕事に対するやる気
・長期的な視座
について、それぞれの印象が天と地ほど開いているからなのだろうと想像する。

ちなみに、私は、その施策に対して、

◾︎難易度
簡単ではないが、そうリスクは高くない
◾︎本人の仕事に対するやる気
何やってもなんでも楽しい
◾︎長期的な視座
あまりのらりくらりやってると、長期的に部署が痛い目にあうのは確実。ここでリスク低めで効果のあるこの案件はお得

という評価をしている。
立ち位置としては、最も強い推進派だ。
では最も強い否定派の意見はと言うと。

◾︎難易度
あまりよく分かってないか、面倒ではないかと思っている
◾︎本人の仕事に対するやる気
仕事は少ない方がいいので、これに限らず何もやりたくない、余計なことはしないで欲しい
◾︎長期的な視座
上に同じ

となっている。
色々な部署に聞く限り、この話は、部署ごとに推進派と否定派が分かれている訳ではなく、部下は推進派、上司は否定派等内部で別れていることも少なくない。

というのも、この施策の関係者は、自分ふくめ全員
「何もしなくても会社は潰れないし、大して仕事しなくても評価はさがらないし、現場の人が汗水流して得た利益の上でのんびりしてる人達」
なので、労働に対しての意欲が、
「ごく私的な、個人の動機や考えと視座の有無」
に引きずられてしまうのだ。

私が強い推進派であるのも、突き詰めれば
「面白そうだし長期的に見てお得だから、やりたい」
という一言に尽きる。
否定派の動機も
「面白さとか長期視点とかどうでもいいから、やりたくない」
の一言に尽きる。

そして、自分の
「仕事面白いから、長期的にやった方がいいから、やってみたい」
という、ごく私的な欲求が尊重されてほしいように、
「仕事面倒だから、最低限しか、やりたくない」
というごく私的な欲求も、尊重されなくてはおかしい。

ただ、問題は
「推進派の思う通りに進むと否定派は迷惑で、否定派の思う通りに進むと推進派は辛くなる」
という表裏一体なことだろう。

自分はこういう時に、意見の間を取ることが多いのだが
(妥協してる訳ではなく、落語の三方一両損の理屈は長い目で見た時、結構良かったりする。)
今回の場合はやるかやらないのかの二択しかない。

サンは森で私はタタラ場で暮らそう、とはできないのだ。


そんなことを考えると、話に答えが出なくて、
この施策を、どうするのが良いのかなぁ。
と、ぼんやりと考えながら過ごすことが増えていった。



そんな折、この施策について、面白い情報を知った。
というか、次第に話が噛み合わなくなってきて、何人かの社員が諜報活動を行った結果、判明したのだが。

否定派の隠蔽工作の結果、話がめちゃくちゃになってるらしいことがわかった。
ある担当はAをやると思ってたのに、ある部署はA'をやると思ってて、別の担当はBをやると思っていたようなのだ。


否定派は別に妨害をした訳では無いのだろう。
隠蔽工作というのも、彼らからしたら心外のはずだ。
実際は、個人的にやりたくない理由があり、放置した結果、ある資料がある人に行ってなかったり、ある情報がある部分で止められてたり、みたいな話だろうと想像する。


このことはいずれ明るみになり、否定派が吊るされるだろう。
ただ、本当にこの終わり方でよかったのか、という疑問がある。

そもそも諜報活動が始まったのは、
「それぞれ意見が違うはずだから、表立って言えない本音を聞いて、落とし所をさぐってみよう」
という、配慮によるところだった。

本当は否定派にも、推進派が全く予想しないような否定や怠慢の正当な理由があったのかもしれない。
もしそうなら、それが分からない限り、似たようなトラブルは起き続けるだろう。

だが、こうなってしまった以上、否定派は被害者意識を強め固くなになる。
本音は分からないままだろう。
次はもっと上手く隠蔽しなくては、くらいに思ってるかもしれない。


もっと上手いやり方があったのだろうか。
それとも、これはもう、どう上手くやっても、全員が嫌な気分になるオチだったのだろうか。

たしかに、推進派のような、正しさを振りかざし、物事を進めようとする人は、他者から見ると脅威に映り、萎縮させることが多いのも事実だ。
だからこそ、自由に意見を言える環境作りは特に気をつけて配慮している。
それでも、だいたいその場で賛成して、その意見が既成事実として周知されるようになったあとで、今回のように後から影であれこれやる人は多く、未だにどういう神経してるのか理解できない。

そもそも、最初から諜報活動せず、この話自体、どれだけおかしくなっててもほおっておけばよかったのだろうか。
たしかに、仕事なんかどうでもいいやと思っている方が、対人的な葛藤はないし、波風は立たない。
だから多くの人は、仕事で人が苦しんでても手を差し伸べることもしないのだろう。

こうなると考える方がバカであり、否定派の「何も考えない」という行動が正しく思えてくる。




私は街にある数多のオフィスビルのことを心の中で「蟻塚」と呼んでいる。
外から中が伺いしれない、不気味で巨大なそびえたつ壁の中に、何百、何千、何万もの社会動物が蠢いているんだ。
これはもう蟻塚そのものだろう。


蟻塚が狂っていて、私が正常なのか、
蟻塚は正常で、私が狂っているのか、
はたまた、蟻塚も私もそれぞれに狂っているのか。



書けば書くほど、銀行業を営む青い蟻塚も、こんな感じなんだろうなぁ。という気がしてくる。
というのも、書いたような、個人の思惑が企業の意思決定、企業活動を阻害する決定的な原因は、社内統治(ガバナンス)が機能していないことによるからだ。
俺もお前もガバガバガバナンス。
妙な親近感が湧く。







最近読んでる本。
ジャンルで言うとサスペンスホラー。






薬を飲んだら異世界に転生した話。 →

1 Comments

あるおひ様 says..."狂った関係性"
いつも興味深い記事を提供いただきありがとうございます。

大抵の場合、会社は「できるだけ安くて大きな労働力」、労働者は「できるだけ少ない労働で高い賃金」と、目的が相反する時点で必然的に狂った関係性になってしまうのかもしれませんね。

個人でもそれぞれの適性があるから「簡単で効果的だからやりたい」or「難しくて効率も悪いからやりたくない」が案件ごとに異なって皆で同じ方向を向くのは難しいですよね。

なので、自分でコントロールできる小さな仕事に楽しみを見出すのがいいのかもしれません。
やりがいも小さいかもしれませんが。。

やりがいも会社のためにあるのか個人のためにあるのかわかりません。やりがいを求める社員は会社にとっても重い仕事を引き受けてくれるありがたい存在でもありますからね。
(待遇や扱いが相応であればある意味利害一致なのかもしれませんが。。)

狂わずに生きていける方法があればいいんですけどね。。
2021.09.12 20:48 | URL | #O1yV/yZg [edit]

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