美輪明宏式自己肯定感を高める方法が凄い
覆面をつけた一般人が、プライベートな悩みを美輪明宏に相談するという内容らしく、ちょうど相談者が美輪明宏に自分の身の上を話しているところでした。
相談者はフランス人の元妻との間にできた三人の子供を育てるシングルファーザー。
身の上話によると、若い頃から自分の力で人生を切り開いてきたタイプで、大学卒業後、単身フランスにわたり起業。
覆面をしていてもはっきりと分かるほど社会的成功者の風格が漂っており、経済的には全く不自由してない様子。
なんでこの話が気になったのかというと、この相談者の発言が興味深かったから。
やはり、今の私の心配というのは、死んだあと、どうするか。
子どもにあてた、生命保険ですとか。そういう形で、そこは何とかなると思うんですが。
何分、例えば お金とかがあっても、子どもが成人したあとに、結局、社会というのはいろんな大変なことがあったりですね……
仕事についたり 結婚しても、いろんなトラブルとか。
対人関係の問題もあるので。
めちゃくちゃ後ろ向き。
子供をもっと信じてあげなさいという美輪明宏のアドバイスに対しても。
たとえ子どもを信じたとしても、ちょっと……
例えば 真面目に生きてようが、少しぐらい行動力があっても、ちょっとした事故や病気とか、トラブルに巻き込まれると、転落するんじゃないかという。
時々、世の中に対して思ってしまっています。
そういう意味では結局、リスクはなくならないんですが。
いかにして そのリスクを減らすかというところで。
もっと できることがあるんじゃないかと。
徹頭徹尾、世の中に対しての絶望がすごい。
人生でどんな地獄を見たんでしょうね。
あまりの闇に美輪明宏も
「あなた、仕事も子供も友達も恵まれてて、なんでそんなに悩むの?そんなに悩むことないんじゃない…? 」
と若干引き気味。
これは私自身もそうなのでわからなくもないのですが、若い頃、一人の力で自分の人生を切り開いた人というのは、
人生のピンチ
↓
誰の力も借りずに乗り切る
↓
サバイバル能力パワーアップ
↓
更なる困難が押し寄せる
↓
それも一人で乗り切る、パワーアップ
↓
自分のサバイバル能力が高くなりすぎて、他人が自分の期待ほど力にならない
↓
人生を切り開く力が強い分だけ、攻撃されやすい&利用しようとする人が現れる&ぶら下がろうとする人も寄ってくる
↓
人間不信&不安激強丸 爆誕
という論法にハマりやすいと思います。
そんな相談者、終盤で美輪明宏にこう訪ねます。
「自己肯定感が低い、不安が多いことを自覚していて、これをどうすればいいでしょうか?」と。
そもそも、この相談者。
あまりに考えてることが自分と似てて
「もしかして寝てる間に自分のメンタルがこの人に移植されたのかな…」
と思うほどだったので、
「この質問への美輪明宏から回答がめっちゃ厳しいアドバイスだったらどうしょう……生きていけないんですが……」
と、手に汗握って見守っていたのですが、このお悩みに対する美輪明宏のアドバイスが衝撃的でして。
感謝しなさい。
自分に対するね。
だって あなた、今まで生きてきたじゃない。
今もよくやっているって。そう、お思いになりません?
(略)
ご自分に感謝して、ご自分にも愛情を注いで頂きたい。
是非 頑張って下さい。
これ聞いた瞬間、美輪明宏に怒られなかった驚きと同時に、予想外の内容にびっくりしすぎて宇宙猫になってしまったんですけど。
え、世の中の皆さん、自分に感謝してるんですか?
え?本当に?
感謝って他人にするものじゃなくて……?
あまりに驚いて、それから数日考えてるんですけど。
これは想像なんですけど、世の中には、
他人と比較して自己評価が低いタイプと、
他人と比較してよくできてる方でも自己評価が低いタイプ
の二種類がいるのかなと。
前者には、自己肯定感あげる界隈で鉄板のアドバイスである「周りに感謝しましょう」「人と比べるのを辞めましょう」というアドバイスが有効だと思いますが、後者にはそれが全く効かないような気がします。
というのも、後者の人に何人か会ったことあるのですが、「周りにめちゃくちゃ感謝してる」「周りよりなんでも出来るので、社会的にも成功している」人ばかりなんですよ。
なので、傍から見ると自己肯定感が低い人には全く見えません。
その人らから、実は自己肯定感が低い、と自己開示を受けた時も「これだけ社会的に成功してても?!」と驚いた程でした。
このお悩み相談の相談者も、後者なのでしょうね。
で、そんな「他人と比較してよくできてる方でも自己評価が低いタイプに有効なのが「自分に感謝する」なのでは無いのかなと。
※余談ですが、「他人と比較してよくできてる方でも自己評価が低いタイプ」の人達の特徴に、自分自身が臨む姿になれば、自己肯定感が上がると思っていた、という幻想があります。
自己肯定感が低いのは生きる上でかなり辛いので、若い頃に色々なことに頑張るのですが、その結果、やたら色んなことが出来て社会的に成功した、全く自己肯定感が低いようには見えない、自己肯定感が低い人が出来上がります。
あまりに美輪明宏のアドバイスに衝撃を受けて、それ以来、自分に感謝するようにしてみたら、簡単すぎて笑いました。
というのも、そもそも人生振り返ってみると、自分の存在は相当使えるかなり便利な存在だな、と言う感想しかなかったからです。
すごい便利だから大事に使っていこう、メンテナンスちゃんとしとこう、ってなりました。
コペルニクス的転回じゃないですけど、気づいてみれば、なんでこんなに便利でこんなに頑張ってた存在に今まで気づかなかったのかとさえ思います。
ただし、若い頃は、まだ経験がない分「そもそも人生振り返ってみると、自分の存在は、なんかやたら色々できて、相当使える存在だ」とは思えませんから、若い頃に自己肯定感が低いのは仕方ないということも言えますが。
あと、これの効果のおかげで1番驚いたのが「自分の機嫌が分かる」ということ。
そもそも自己肯定感高い人には驚かれるような気がしますが、自己肯定感低い人は、自分の機嫌が分かってるようで、わかってないのでは…?
自分自身、自分の機嫌がわかって無かったことに相当驚きました。
自己肯定感低い人は、自分の機嫌を察知する余裕もないほど、人生の全ての局面を、デフォルトで限界突破して無理しすぎてるような気がします。
そんな生活してたら、メンタルが最悪になったり、病気になったりするのも当然でしょう。
最近は予め「メンタル急回復リスト(好きな食べ物やスパ)」を用意していて、メンタルがダウナーになってることに気づいた時に速やかにそのリストを開いて、速やかに実行し、速やかに機嫌を治すというライフハックを身につけたのですが、これがまた便利すぎて、逆に今までこれを知らずに37年も生きてこれたのか謎で仕方ありません。強靭すぎるし無理しすぎてる。
また、そこから転じて人の機嫌も分かるようになってきました。
これは自己肯定感低いパーソンあるあるだと思いますが、自己肯定感低い人は、基本的に自分の心理的恐慌状態の対応に忙しくて、人の心理的恐慌を見逃しがちなんですよね。
自分の家が燃えてたら、隣の家の火事なんて見てる暇ないの当たり前なんですけど。
だからこそ、人が機嫌悪い、当たりが悪い時に、すぐ自分のこと嫌いなのかな、とか思いがちなんだと思います。
人の事見てないから。
分かってても出来なかったのですが、自分の機嫌が分かるようになってから「自分もお腹すいたら機嫌悪い、相手もそうだろう」という、わかる人は5歳で分かるような事がようやく分かりました。
たぶん、世の中には、自分のあるがままを認めるとか、存在をまるごと愛してあげるみたいな、自己肯定系で言われることが、できない人が一定数いるんだろうなと思います。
これは親の教育方針のせいもあると思いますけど、それ抜きにしても、いい年した大人が、ただそこに居るだけで愛して欲しい!存在を認めて欲しい!っておかしいじゃないですか。
幼児ならまだしも、他人がそれを言ってても引きますし、もちろん自分自身でも受け入れられないです。
心の底で、引っかりますよ。
自己肯定感を上げるためのうんたらかんたらが続かないのも、これが理由だったんだなと腹落ちしました。
というわけで、みなさん、是非自分に感謝なさってください。
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