fc2ブログ

honjitu no hirose

広瀬ヒロ

虚空に向かい思考を吐露して17年。 伴侶は孤独、幼なじみは希死念慮、命を支える偉大な信仰、降谷零。 自己葛藤から抜け出せない永遠のモラトリアム中年。引き続き、七転八倒をお楽しみください。

人生の深淵


肉親、配偶者の不幸は、
生きている中で経験する不幸、ストレスの中でも最大のものらしい。

私はその1歩手前まで味わい、
その人生の深淵を垣間見た。


深淵の入口を覗きこんだだけでも、この一線を超えたら精神が崩壊するという、自分の力では越えられないとはっきりと感じる恐怖を見た。


人生のことを勘違いしていた。
私はずっと、遠浅、穏やかな海の中で、それを世界の全てだと思って生きていたのだ。
ちゃぷちゃぷ海に漬かり、海は大変だ大変だ、嫌だ嫌だなんて言いながら、やっていくのが人生と思っていた。

しかし、唐突に、その穏やかな海から沖合に流され、私は、海の何たるかを初めて知った。


沖合の海に流されれば、人など、闇夜のなか、大嵐の荒れ狂う大海で溺れるひとひらの木の葉のようなものだ。

圧倒的な慟哭の中をひたすらに潮に撃たれ翻弄されるしかない。
その中で人は、何も出来ない。

何も出来なくて、縋るように、同じように翻弄される木の葉同士で、震え寄り添うことしか出来ない。
それが自分の心をつなぐ唯一の命綱となるほどに、人は無力なのだ。

寄り添う人に恵まれず、それが出来なかった人が、人生の闇、つまり荒波の底に吸い込まれてしまい、心の病を患ったり、無敵の人となり事件を起こすことがあるが、それも、この海の姿を見たあとでは普通のことと思う。
それくらい、生きてきた他のものとは比べ物にならない、耐え難さがある。

私は、今回、沖合に出て知ったのだが、
世の中には、海のことを、遠浅のちゃぷちゃぷしたものだと思ってる人と、海の本当の姿を知っている人の2種類が居るようなのだ。
でも、後者の人は、そんなことお首にも出さないから、私は知らなかった。



私が沖合に流されたことを知ったとき、
過去に海の沖合に流されたことがある人達が、私の周りに寄ってきてくれた。
私の震える手を支えてくれた。

母親も同じだ。
母親の友人の、海の沖合を知る人が、突然家に来て「家から出られないだろうし、食べられないだろうから…」とゼリーやおかゆ、色々な食べ物を置いていって、母の話を聞いてくれていた。

私の友人も、美味しいプリンがあるから、食べられるかな、控えめにそう言って、わざわざ地方から送ってくれた。
それらを口にした時だけ、しっかりと美味しさを感じ、周りの人の思いによって生かされていると感じた。

身近な友人だけではない。
見たこともあったことも、あまり話したことも無い、ブログを読んでくださってるフォロワーさんが、私の震える手にそっと寄り添ってくれた。
極限の状態で、それがどれほど救われたか。

言葉一つで救われるなんて、と思われるかもしれない。
けれど、海の沖合では、その言葉一つなかったら溺れて浮き上がれない。
それを知ってるから、皆、声をかけてくださるのだろう。

親しい人には、その人ができる、支え方があり、1度もあったことがない人には、1度もあったことがないからこその、励まし方がある。

それぞれ全てが本当に有難かった。

私もいつか、誰かが沖合の恐ろしさを知った時、震える誰かに、今日受けた、恩返しをしなくてはと思った。
そうして人は支え合うのだと知った。
力なく寄り添うことしか出来ない無力感は、沖合を見た人しか分からない。
だからこそできることがあるともおもう。
そして同時に、この思いをこの世の誰もしなければ良いのにと思う。




人生の本質、荒れ狂う沖合を見ないまま、人生を終える人もいるのだろう。
そういう人は、本当に幸せだと思う。
ああ、この人は人生の何を知らないのだ、このまま甘えて生きていくのだ。それもいい事ではないか。
今はそう思う。

そして、毒親に育てられた人。
その人もその荒波に放り出されることを免除されるはずだろう。
(親と離れる恐怖が少ないはずなので)
この苦しみを知らなくてすむのだとしたら、やはりそれは幸せだと思う。
親が生きている間に苦労した人は、親に何かあった際の苦労を免除されるのだろう。
世の中よくできている。











私の価値観の全てがひっくりかえってしまった。
私も甘えた、遠浅の海で、ちゃぷちゃぷ遊んでいた一人だったのだ。
その、遠浅の海での出来事の全てが、このブログに書いたことだ。

でももう、あの日には戻れないと思う。


私は、一生このブログを描き続けることを夢としていたけれど、海の本質を知ってしまった今、吐き出したいことも、共感して欲しいことも、もう何も無い。

なぜ、高齢になるほど、ブログを書く人が少ないのか、私は今回その理由に気づいてしまったが、他の人も、おそらく、そんな所なのだろう。

この先の人生は、
また暗く恐ろしい沖合の荒れる海に放り出された時に、手を握ってくれる人さえいればいい。
そして、震える人がいた時に、私も力になれればそれでいい。

だから、このブログを今日で終わりにしようと思う。
この先のことは分からない。
けれど、私がここで言いたいことは、今はもうない。




最後に、沖合の海を知らない人に伝えたい。

若くても、老いていても、いざと言う時の話はした方がいい。
どういう条件になったら延命するか、しないか、胃ろうをするかしないか。
家族と医師の意見が分かれた時にどうするか。
通帳はどこにあるか、保険は何に入っているか、有事の時に連絡しなくては行けない人は誰か。
極限の恐怖とストレスに襲われるため、ほんの少しでも迷わなくて良いよう準備することでも、家族をささえ、助けになる。
ぜひご家族で話し合って欲しい。


会社の人や友人の親族が一命を取り留めた時は「良かったですね」と言う言葉は使い方に気をつけて欲しい。
一命を取り留めたとはっきりわかるのは、フィクションの世界だけ。
安堵できる瞬間なんて一度も訪れないし、それを言っていいのは身内だけだ。
どんなタイミングでも、家族は混乱し、今後どうなるかさえわかっていないことも多い。
どんなふうになるかわかっていても、それが家族にどんな思いをもたらしているかは、周囲から見えないのだ。
迂闊な言葉は慎もう。

私も過去に1度言ってしまい、妙な態度を取られて疑問だったのだが、今回の件で、意味が分かり大変に反省した。


動画や写真をたくさん取っておいて欲しい。
これは色んな人が言っているから、そうなのだろう。
特に動画は意外と撮らないから。
なんてことない、しぐさや眼差しに助けられることもある。

そして最後に、どんな思いも伝えておこう。
相手が目の前にいる時に、思った瞬間に、伝えよう。
あなたが未来を悔いなく生きるためにも。









たくさんの皆さん、ありがとうございました。
ここでブログを書き続けた17年間、お世話になりました。
皆さんに救われました。

今、コメントを頂いていていて、お返ししてないものは、少しさきになるかもしれないけれど、返します。
あと記事は残し続けます。

みなさん、さようなら。
お元気で。
















いのち →

5 Comments

- says...""
初めてコメントします。オイリー肌の記事で辿り着き、過去の記事も読み漁り、更新を楽しみにちょくちょく覗かせていただいていました。今までの素晴らしい記事のお礼をお伝えしたいです。ありがとうございました。もう更新されないということでとても寂しく思います。お元気で。またいつか。
2022.07.23 20:31 | URL | #- [edit]
ピッチー says..."今までありがとうございました"
はじめまして。
今まで拝見するだけでした、こちらのブログはどんな内容も心動かされ、楽しみにしておりました。
少し、境遇が自分に似ている気もして、気持ちをうまく言葉にして代弁してくださっていることに尊敬もしておりました。
いろいろと大変な出来事があったのだなと思われますが、これからもどうぞお元気で。
気が向いたらぜひ何か書いてくださいね。
2022.07.23 19:31 | URL | #- [edit]
さくら says...""
だいたい7.8年前に広瀬さんのブログを見つけ、おすすめしていた美容院に通ったこと懐かしく思います。
もう新しいブログが更新されることはなくなっても、きっとどこかで広瀬さんが今日も思想を巡らせたり、何か発見したりしながら生活しているんだなと時々思い出すと思います。それくらい、広瀬さんのブログが身近にありました。今までたくさんの気づきや、考えるきっかけをくださりありがとうございました。
どうかお元気で。
2022.07.22 06:52 | URL | #- [edit]
ツチノコ says..."祈り"
3年前の夏から、脂性肌の記事をきっかけとして拝読させていただいてました。
仕事の昼休憩中に過去記事までさかのぼっては一つずつ読み漁って今日に至ります。
御ブログとはたった3年の付き合いですが、
それでも広瀬さんの17年間に及ぶ旅路をしかと辿って来れたように思います。

沖に流されたものは、いずれまた砂浜に流れ着くものです。
これから先の広瀬さんの人生に幸多きことを、遠くから願ってます。
今後も折に触れてはここを思い出し、時々訪れようと思います。   ではでは
2022.07.19 13:16 | URL | #- [edit]
- says...""
コメントしたことはありませんでしたが、ずっと拝見させていただいていました。
広瀬さんのブログで人生の発見をいくつもさせていただき、なんと賢い人なのだろうと感服しておりました。
もう更新されないのはとても残念ですが、これからも時折 読み返しに参ります。
たくさんの記事をありがとうございました。
どうぞお元気でお過ごしください。
2022.07.18 01:53 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する