人間の尊厳
ドキュメントをやってたんですね。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100131.html
地域の新聞の片隅に、自宅で孤独死した名前住所不詳の男性の
身元引受け人尋ねの記事が載っていて、それを元にNHKが
その人がどんな人だったか追跡、解明していくという内容。
まず新聞社から紹介を受けて?その人の亡くなった自宅へ。
自宅の内部を詳細にカメラに収める。
近所の人に話を聞くも、誰も名前を知らない。
そこで、大家を捕まえてきて、契約書からその人の名前を把握する。
仮名かと思ったら契約書にモザイクなしで実名表示。
自宅での取材で、家から数十分の場所で働いてたとの情報を元に、その給食センターへ。
事務員に取材し故人の履歴書を出してもらう。
ここで、その人の社員証や履歴書の写真、本籍、
履歴書に書いてること(出身学校や就職転職時期、転職理由など)がカメラに映される。
その後故郷へ移動し元同級生から子供の頃の写真を出してもらいカメラに収める。
そして、その両親の眠る墓に行き、
故人もここに眠りたかったんでしょうが、
都内で無縁仏として葬られました。みたいなナレーションで終わり。
テレビに、故人のそれらをカメラにおさめる権利はあるのだろうか。
一個人が、他人の履歴書や過去の写真をカメラに収める許可を与えることは許されるのだろうか。
放送倫理向上なんとか機構(BPO)には、申し立てに際し、
苦情を申立てることができるのは、放送により権利の
侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人 を原則とします。
といっています。
刑法第230条(名誉毀損)は、
死者の名誉を毀損した者は、
虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
といっています。
まさに孤独死にくちなしだね。
そういえば、その番組で別の人の遺体が医学目的で献体されて、
献体された大学まで追跡して、解剖実習室が放映されてたんだけど。
みんな、解剖実習室って見たことありますかね?
私、全然知らなかったんだけど。

何この空気。
ひめゆり記念館の重苦しさを思い出す。
テレビの映像では、ビニールに覆われた献体が何十体も物として置かれて、
肉片を入れる薄汚れたポリバケツと、その周りを普通にウロウロする生徒が映ってまして。
一瞬のシーンだけど、そんな風に人間を扱い、
そんなものに人間を入れる事を不自然に思わない人が医者になってるのかと
カルチャーショックを受けて、解剖実習について調べてみたんだけど。
http://kris715.blog60.fc2.com/blog-entry-232.html
これをみて、物としては見てないんだなぁ、と思ったら。
http://ameblo.jp/johnnydep/entry-10478584452.html
>title:解剖実習の凄惨な思い出
>マックのハンバーガーを遺体の上に直接 置いて食べながら夢中で解剖したことも
>友人は 実習中に食べたハンバーグの肉の中に噛み切れないものがあった
>口の中からとりだしたら それは遺体の皮膚だった
凄惨なのは誰なんだろう。
別に残酷だとかそういう話ではないんですね。
ただ、夕飯のいなだの血合いを取るために
脳や脊髄を何の感情もなしにグリグリえぐってる時に、献体のことを思い出して、
人間の便利さのために、スーパーに必要以上に並べられた魚の行く末とか、
抉っている魚の命を余すところなくいただくとはどういう事なのかとか、
なんだか色々考えながら、
人間や命の尊厳って、なんだろうなと思った出来事でした。
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